医療法人 美甘会勝山病院
アクセス
診療受付 午前 8:30~12:30 / 午後 14:00~17:30
休診日 土曜日午後・日曜・祝日・年末年始

家庭医療後期研修プログラム

名称

勝山病院/津山中央病院 家庭医療後期研修プログラム

プログラム責任者

氏名 竹内 義明
所属・役職 外科 病院長
指導医認定番号 第2015-0172号
所在地・連絡先

住所 〒717-0007 岡山県真庭市本郷1819 勝山病院

電話 0867-44-3161

FAX 0867-44-5331

E-mail khp@katsuyama-hp.or.jp

連絡担当者氏名・役職 平内 大輔 事務部長
連絡担当者連絡先

電話 0867-44–3161

FAX 0867-44-5331

E-mail khp@katsuyama-hp.or.jp

専攻医定員

1年あたり 1 名 × 研修期間年数 = 総定員 3 名

プログラムの期間

3年間

概要


A. プログラムを展開する場や医療施設の地域背景や特長
総合診療専門研修Ⅰを担当する勝山病院がある真庭市は県都より高速道路で1時間半かかる高齢者比率の高い山間地域であるが、住民からは地域完結医療を期待されており、市内の各病院は救急を始め広範囲の領域に対応すべく努力して地域医療をささえています。このような地域だからこそプライマリ・ケアを中心とした総合診療医が強く望まれています。指導医は病院長であり、出身医局から外科を標榜していますが、内容としては、内科・整形外科も含んでおり、比率としては内科疾患への対応が多く、隣接する小学校の校医でもある事より、小児の受診も多く外来受診の5%以上の基準を満たしています。 プライマリ・ケア学会の指導医である院長自身が内科・小児科・整形外科・皮膚科などの幅広い領域の診療の指導を直接行います。 総合診療専門研修Ⅱと領域別研修を担当する津山中央病院は真庭市の隣接市にあり県北部の大規模高度医療機関であり、総合病院として内科、小児科、救急科など多くの診療科を有しています。 また真庭市と津山市は同じく美作地区としてお互いの交流が深く、共同での学術講演も頻回に開催されています。

B. プログラムの理念、全体的な研修目標
地域医療を支える求められる家庭医療専門医(総合診療医)の能力として幅広い医学知識を得るために、総合診療研修Ⅰでは勝山病院で外来医療、病棟医療、在宅医療において高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や骨粗鬆症、認知症などの診断、予防、治療が適格にできるようになること、また救急外来にて適切な初期対応ができること、および介護保険の理解、産業医活動、学校医活動、地域住民への啓蒙活動などができるようになることを研修目標とします。総合診療研修Ⅱでは津山中央病院にて地域の中核病院として幅広い診療科においてその専門領域で必要な知識、技術の習得を研修目標としています。

C. 各ローテーション先で学べる内容や特色
勝山病院では一般内科を中心として幅広く対応する外来診療を担当、病棟においては外科、整形外科とも連携して入院患者の担当をします。また週1回の訪問診療に同行、産業医活動として月1回の企業での衛生委員会に同行、学校医として学童の内科検診に同行します。またチーム医療の実践として医療安全、院内感染、NSTなどの委員会への出席をおこないます。 津山中央病院では内科、小児科、救急科に専門医が多く、また症例も豊富にあり、希望に応じてその他の科での研修も可能です。

D. 指導体制に関する特長
勝山病院では外来診療においてはいつでも相談できる体制であり、病棟診療においては入院患者を指導医と一緒に担当しマンツーマンで指導します。訪問診療、産業医活動、学校医活動では指導医に同行します。 津山中央病院は各科の専門医よりその領域での指導を受けることができます。また症例も豊富であり、症例検討会、勉強会も豊富にされています。また真庭医師会、美作医会主催の学術講演も頻回に開催されています。 学術講演や学会などでの発表を推奨し、それを通じてEBMを指導します。 両病院は顔の見える連携をしており、指導医同士も連携して専攻医を指導します。

E. 医療関係職種、保健・福祉関係職種、地域の住民、医療機関の利用者などの協力を得る方法
勝山病院は医療関係職種の協力のもとチーム医療に力をいれています。また老人保健施設、居宅介護事業所、訪問看護、訪問介護、デイサービスを併設しており介護保険サービスの協力のもと地域医療をしています。認知症サポート医として包括支援事業所とも連携しています。 地域の基幹病院である津山中央病院とも協力体制にあり連携登録をしています。 地域住民に対し月1回健康教室を開催し医療の啓蒙活動をしています。 地域の医師会でも専攻医をあたたかく見守っていただいています。

F. その他
1つの地域の中で、地域基幹病院、中小病院、老人保健施設、各介護サービス施設などを経験し、地域医療の全体像をつかむことができます。また家族全員がかかりつけになりうる地域性を生かして、家族志向のケア・患者中心のケア・地域包括ケアの家庭医としてのコンポーネントの教育を実感を持ってうけることができます。 経験した症例についてまとめ、省察することで、自己学習を促進するポートフォリオの作成を3年間の研修を通しておこないます。年に3回は発表会を行います。また年に一回全体で集まりしつかり時間をかけてポートフォリオについて議論します。

G. モデルとなるローテーション例

1年目 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 内科 内科 内科 内科 内科 研修Ⅱ 研修Ⅱ 研修Ⅱ 研修Ⅱ 研修Ⅱ 研修Ⅱ
2年目 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
小児科 小児科 小児科 救急科 救急科 救急科 その他 その他 その他 その他 その他 その他
3年目 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ 研修Ⅰ


H. プログラムの全体構成(月単位の換算による)

総合診療専門研修 総合診療専門研修Ⅰ
12カ月
総合診療専門研修Ⅱ
6 カ月
領域別研修 内科
6カ月
小児科
3カ月
救急科
3カ月
その他
6カ月

総合診療専門研修Ⅰ

研修施設名 勝山病院
診療科名 外科
施設情報 病院病床数 50 床  診療科病床数 35 床
総合診療専門研修Ⅰにおける研修期間 12ヶ月
研修期間の分割 なし
常勤の認定指導医の配置の有無 配置あり
指導医氏名1 竹内 義明 【常勤】  指導医認定番号:第2015-0172号
要件
ケアの内容
  • 外来診療:生活習慣病、患者教育、心理社会的問題、認知症を含めた高齢者ケアなど
  • 訪問診療:在宅ケア、介護施設との連携などを経験し在宅緩和ケアにも従事
  • 地域包括ケア:学校医、地域保健活動などに参加
施設要件
  • 患者層:当該診療科において(施設全体ではない)専攻医の経験する症例は、学童期以下が5%以上、後期高齢者が10%以上である。
  • アクセスの担保:24時間体制で医療機関が患者の健康問題に対応する体制をとっている。
    【具体的な体制と方略】当直医を配しており医師連絡網を整備して24時間体制をとっている。
  • 継続的なケア:一定の患者に対して研修期間中の継続的な診療を提供する。
    【具体的な体制と方略】受け持ちの患者にかかりつけ医として他医師と協力して24時間年中無休で対応する。
  • 包括的なケア:一施設で急性期、慢性期、予防・健康増進、緩和ケアなどを幅広く担当。
    【具体的な体制と方略】担当した患者の退院後の通院もしくは介護施設利用等に対してケア会議に参加する。
  • 多様なサービスとの連携:必要な医療機関、介護・福祉機関などと適切に連携する。
    【具体的な体制と方略】併設介護施設にて利用者の医療相談などに協力し連携を図る。
  • 家族志向型ケア:様々な年齢層を含む同一家族の構成員が受診する。
    【具体的な状況】診察の中で家族の話を聞き、家族図を作成し、家族への影響やファミリーライフサイクルを考え、患者のケアに生かします。
  • 地域志向型ケア:受診していない地域住民への集団アプローチを計画的に実施する。
    【具体的な内容と方法】月1回開催している健康教室の講師として医療の啓蒙に努める。
  • 在宅医療:訪問診療の体制をとっている。患者の急変、緩和ケアに対応している。
    【それぞれの概ねの頻度】週1回の訪問診療に同行する。患者急変、緩和ケアも担当医として適格に対応する。
週当たり研修日数 4日/週
総合診療専門研修Ⅰ(本研修)の研修期間中に週1回などのペースで並行して行われる領域別研修の内容とその日数 内容:津山中央病院で希望する科での研修参加が可能です。
日数:1日/週

総合診療専門研修Ⅱ

研修施設名 津山中央病院
診療科名 内科
施設情報 病院病床数 535 床  診療科病床数 174 床
総合診療専門研修Ⅱにおける研修期間 6ヶ月
研修期間の分割 なし
常勤の認定指導医の配置の有無 配置あり
指導医氏名1 岡 岳文  【常勤】  指導医認定番号:第2014-1008号
指導医氏名2 布上 朋和 【常勤】  指導医認定番号:第2014-0085号
指導医氏名3 竹中 龍太 【常勤】  指導医認定番号:第2014-1526号
要件
ケアの内容
  • 病棟診療:病棟は臓器別ではない。主として成人・高齢入院患者や複数の健康問題(心理・社会・倫理的問題を含む)を抱える患者の包括ケア、緩和ケアなどを経験する。
  • 外来診療:臓器別ではない外来で、救急も含む初診を数多く経験し、複数の健康問題をもつ患者への包括的ケアを経験する。
施設要件
  • 一般病床を有する
  • 救急医療を提供している
病棟診療
  • 高齢者(特に虚弱)ケア
    【具体的な体制と方略】フレイルに対してNST介入、ロコモに対してリハビリテーションの介入などを行う
  • 複数の健康問題を抱える患者への対応
    【具体的な体制と方略】幅広い疾患への対応能力を高めるとともに、各専門医への適切なコンサルトを行う
  • 必要に応じた専門医との連携
    【具体的な体制と方略】自分が対応するよりも専門性の判定が必要と考える場合はすみやかに連携をとる
  • 心理・社会・倫理的複雑事例への対応
    【具体的な体制と方略】患者の心理を理解することに努めるとともに、ソーシャルワーカー等との連携をとる
  • 癌・非癌患者の緩和ケア
    【具体的な体制と方略】緩和ケアチームと帯同し、緩和ケアの実際を学ぶ
  • 退院支援と地域連携機能の提供院支援を学ぶとともに、地域連携室連携して地域連携機能の提供を学ぶ
  • 在宅患者の入院時対応
    【具体的な体制】かかりつけ医や担当のケアマネージャー等からの情報入手に努め、早い段階での患者理解を行う
外来診療
  • 救急外来及び初診外来
    【具体的な体制と方略】平日昼間の救急当番、休日・夜間の救急当番医として指導医とともに診療にあたる
  • 臓器別ではない外来で幅広く多くの初診患者
    【具体的な体制と方略】臓器別診療科が決定していない初診患者に対応し、ゲートコントロールを行う
  • よくある症候と疾患
    【具体的な体制と方略】よくある症候や疾患に対して積極的に対応し、経験を積む
  • 臨床推論・EBM
    【具体的な体制と方略】臨床上の疑問に対し論文検索し、治療方針等の裏付けを得ることを会得する
  • 複数の健康問題への包括的なケア
    【具体的な体制と方略】自分が担当できる事についてはできるだけ対応し、必要に応じて専門医と連携する
  • 診断困難患者への対応
    【具体的な体制と方略】症例検討会への提出等にて指導医に相談する
週当たり研修日数 4日/週

領域別研修:内科

研修施設名 津山中央病院
病院病床数 病院病床数 535 床
診療科名 内科
領域別研修(内科)における研修期間 6カ月
指導医氏名 竹中 龍太 【臨床経験年数 21 年】
有する認定医・専門医資格 日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
要件
ケアの内容
  • 病棟診療:病棟での主治医として主に内科疾患の急性期患者の診療を幅広く経験する。
施設要件
  • 医師法第16条の2および関係省令で定める基幹型または協力型臨床研修病院である。
  • 内科病床数が50床以上ある。(174 床)
  • 内科常勤医が5名以上いる。(31 名)
  • 後期研修プログラムの認定に関する細則第9条(5)に定める指導医が病院全体として3名以上いる。(9 名)
週当たり研修日数 4日/週
内科(本研修)の研修期間中に週1回などのペースで並行して行われる領域別研修の内容とその日数 内容:放射線科、皮膚科、泌尿器科、循環器科等内科診療に関連する疾患について研修する。
日数:1日/週

領域別研修:小児科

研修施設名 津山中央病院
病院病床数 病院病床数 535 床
診療科名 小児科
領域別研修(小児科)における研修期間 3カ月
指導医氏名 梶 俊策
有する専門医資格 日本小児科学会専門医
要件
ケアの内容
  • 外来診療:指導医の下で初診を数多く経験し、小児特有の疾患を含む日常的に遭遇する症候や疾患の対応を経験する。
  • 救急診療:指導医の監督下で積極的に救急外来を担当し、軽症、1次救急を中心に経験する。
  • 病棟診療:日常的に遭遇する疾患の入院診療を担当し、外来・救急から入院に至る流れと基本的な入院ケアを学ぶ。
施設要件
  • 小児領域における基本能力(診断学、治療学、手技等)が修得できる。
  • 小児科常勤医がいる。(6 名)
週当たり研修日数 4日/週
小児科(本研修)の研修期間中に週1回などのペースで並行して行われる領域別研修の内容とその日数 内容:産婦人科について研修を行う。
日数:1日/週

領域別研修:救急科

研修施設名 津山中央病院
病院病床数 病院病床数 535 床
年間救急搬送件数 4621 件
指導医氏名 森本 直樹
有する専門医資格 日本救急医学会専門医
専従する部署 救命救急センター
ブロック研修・兼任研修の別 ブロック研修 【領域別研修(救急科)における研修期間 3 カ月】
要件
ケアの内容
  • 救急診療:外科系・小児を含む全科の主に軽症から中等症救急疾患の診療を経験する。
施設要件
  • 救命救急センターもしくは救急科専門医指定施設
  • 救急科専門医等が救急担当として専従する一定の規模の医療機関(救急搬送件数が年に1000件以上)
週当たり研修日数 4日/週
救急科(本研修)の研修期間中に週1回などのペースで並行して行われる領域別研修の内容とその日数 内容:救急における一般外科、整形外科等について研修を行う。
日数:1日/週

領域別研修:その他

研修領域 必修・選択別 ブロック・兼任の別 研修日数/週(兼任の場合) 研修期間 研修施設名と診療科名 指導医氏名
一般病棟 選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
外科
林 同輔
整形外科 選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
整形外科
高城 康師
産科婦人科 選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
産婦人科
河原 義文
皮膚科 選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
皮膚科
鈴木 規弘
泌尿器科 選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
泌尿器科
明比 直樹
放射線科
(診断・撮影)
選択 ブロック
兼任
1 日/週 1 カ月 津山中央病院
放射線科
藤島 護

専攻医の評価方法

形成的評価
専攻医は研修目標を作成し、期間中経験した症例の記録をします。指導医は3カ月毎に専攻医と定期面談を行い、360度評価を用いて評価を行います。

総括的評価
指導医は専攻医と供に日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医試験提出用ポートフォリオの検討を行い、common problemsチェック表の項目のうち一定水準以上の経験事例のチェックを3カ月毎に行います。

研修修了認定の方法
研修修了時において、プログラム責任者は各研修での専攻医、各指導医の意見を聞き、両病院のプログラム責任者との協議において研修終了認定をおこなう。

プログラムの質の向上・維持の方法

地域ブロック内においてサイドビジットを行い、それぞれで情報交換し、また専攻医からの指導への満足度、改善点などの意見を得てプログラムの質の向上、維持に努めます。